KALucky's Social Finance

アクセスカウンタ

zoom RSS 韓国のマイクロクレジット政策からわが国のSB/CB金融支援のあり方を考える

<<   作成日時 : 2010/07/03 11:38   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

Microfinance Gatewayのメールニュース今週号に、韓国のマイクロクレジットの記事が。
Microfinance loans may triple this year
隣国での、政府の音頭取りによるマイクロクレジット事業については、これまでも何度かこのブログでもとりあげてきましたが(これとか)、同紹介記事を媒介に、掲題について考えてみようというのが、今回の記事の趣旨です。

同記事(コリア・ヘラルド紙)によると、韓国の自営事業者(self-employed people)は労働人口の概ね25%を占める、と。マイクロクレジット供給の対象となるのは、一定の所有資産金額(都市部居住者で135百万ウォン(11万ドル=1千万円)、以外の居住者で85百万ウォン)に満たない者が対象であり、借入の条件は金額上限50百万ウォン(4百万円弱)、金利上限4.5%である、と。途上国等で貧困対策に用いられるマイクロクレジットとは、かなり異なる感。むしろ、やや小規模(「極小規模」ではない)の個人事業者への金融支援により、経済環境の底上げを図る施策と考えられるのではないでしょうか。
ここで日本に目を転じると、総務省統計局の「労働力調査」(これの第3表)によると、我が国の平成21年の全産業従事者は6282万人で、うち自営業者は594万人。
「家業」と規模や形態等の面で変わらない中小企業が少なくないと思われることから、韓国の施策でいう「マイクロクレジット」的規模の事業者の比率が、韓国と比べて多いか少ないかはわかりません。しかし、「自営業者」の比率は韓国と比べると低いのは事実。そして、小規模とはいえ企業の体裁をとっているのであれば、それらに対応する金融機関として想定され運営されている信用金庫、信用組合などに、そのニーズに応えさせるべきと考えるのが普通でしょう。
若干脱線しますが、菅氏@マイクロファイナンスのすすめが、日本でマイクロクレジットを考える際に被雇用希望者をその供給対象と想定しているのは、そこら辺を想定してのことなのでしょう。
中小企業側に、信金信組と金融取引するだけの素養がないということもありそうですが、それはそもそも別の問題(金融リテラシー)。こちらも極めて重要かつ重大な問題ですが。
それはさておき、国民にとってより少ないコストで可能な方法をとるべき、という効率性に基づく考え方に従うならば、新たな制度を作りだすことで国民全体に初期導入負担を負わせるよりも、現状の制度を利用しつつ一部のものがコストを負う(コストの一部は国が補てんするとしても、国民全部の負担の総額は軽減される)ことで現状の不足を補うべきではないでしょうか。ゆえに、日本では、マイクロクレジットを国掛かりでやるよりは、金融サービスの供給は信金信組にやらせ、そのコストの一部を国が補てんするというのが、やるべきスキームと考えられないでしょうか。
コストの一部補てんの具体的な手法は、いろいろ考えられるでしょう。例えば、「小規模事業者」貸出全般や同純新規貸出実績に対する実額的補助(産業振興の視点から従来の制度融資同様に協力預金を地方公共団体等から預託するとか、同部分に対して自己資本比率計算上の優待的措置を与えるとか、預金保険料金額の軽減をおこなうとか)。「現物」的補てん以外にも、小規模事業者取引推進のノウハウを提供するとか環境整備をおこなうとか。この「環境整備」、具体的には事業主側にリテラシー、金融機関に対するアカウンタビリティをつけさせることは、特に重要と考えます。飛躍しますがそれらが根本的に欠けている(欠けているものが多数を占めている)からこそ、内容が明瞭でない「信用」への依存とその弊害が、日本社会のここかしこでみられるのですから。

さて、「新しい公共」でも焦点が当てられているSB/CB事業者への金融支援。これにおいても、基本的な考え方は同じではないかと考えられます。
金融の新しい仕組みの創生は好ましいこととは思いますが、特定のそれへの加担は相当のロジックが作れない限りは避けるべきです。本当に優れているのであれば、政府が加担しなくても(総国民負担でプッシュしなくても)それは広まるはずです。
新たなものばかりクローズアップすることも、好ましいとは思いません。新たなものが、従来満たされていなかったニーズの多くを満たせるというならば話は別ですが、そのような状況は考えにくいのではないでしょうか。既存のものにとってかわるのではなく、影響を与えるオルタナティブとしての、適切な扱いをすべきと。既存のツールをもっと使いやすくすることの方が、課題解決のための優先取り組み事項である、というのが私の考えです。
社会性面でのスクリーニング・ツールを提供し、社会性の「お墨付き」だけは認めることで、信金信組の負担は与信判断のみにするとか、事業者側の借入申し出の際の書類等作成の支援の仕組みを設けるとか。さらに後者を拡大し、新入起業者に対して金融リテラシーの教育をおこなうとか。金融の新しい仕組みを論じるより、これらのほうがずっと低コストであるように思います。
既存制度に嵌らず適用除外を山ほど認めなければ動かせなかったりする仕組みを活用しようとか、もしも言うのであれば、真っ向から反対の声を挙げます。たとえ誰も耳を貸してくれなくても。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
韓国のマイクロクレジット政策からわが国のSB/CB金融支援のあり方を考える KALucky's Social Finance/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる