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zoom RSS マイクロクレジットの高金利の背景にある問題 MCと市場資金について

<<   作成日時 : 2010/07/12 11:34   >>

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インドにおけるマイクロクレジットにかかる6月下旬の2つのメディア記事から、掲題について考えてみましょう。
@ウォールストリートジャーナルの記事
Microfinance: Risky and Expensive
Aエコノミック・タイムズ(インド)の記事
MFIs as engine of inclusive growth
まずは、インドのマイクロクレジットの運用(貸出)調達金利の現状についてAより紹介。
同記事によると、マイクロクレジットの貸出金利は18-30%。MFIsの一般銀行からの資金調達の金利(11-14%)に事業実施コスト(金利換算で6-12%)を加えた総調達コストを考えれば、決して「べらぼー」な金利ではないといえそう。
とはいえ、利鞘をどれくらいみるか、が最終貸出金利の重要な決定要因となることは自明といえるでしょう。事業実施コストの削減には限度があります。元々マイクロクレジットは事業としては高コストとなるのは不可避であり(規模やアウトリーチの負担)、MFIsが事業を持続できなくては、元も子もないのですから。

ここで@の記事。インドのマイクロファイナンス・バブルの構造を分析しています。
マイクロクレジット側の希望投資受入額に対し、投資家側の投資希望金額の総体が大きいため、投資される側に希少性が発生し、価格が高騰する。投資家側は投資先マイクロクレジットにかかるリスクを適正に評価し、価格決定に臨むべき、と。妥当な指摘と思います。

さて、ここからは記事には書かれていないこと。高値で出資をした投資家側が何を求めるかというと、当然、投資金額に見合う利回り、すなわち高配当です。そして、MFIに対するこの要請の帰結が、Aの記事の部分で述べた利鞘の増加ということになります。適切な値付けで投資をしない投資家側の理と節度のない行動が、マイクロクレジットの高金利につながる可能性を示唆しているといえるでしょう。
一方、理の無い行動の帰結は「バブル崩壊」です。これを経なければ、おそらくは理の無い行動が幅を利かせている状態は、止まないでしょう。

これに対して「そらみたことか」と、マイクロクレジットの市場からの資金受け入れ自体を問題視する向きもあるでしょう。しかし、わたしの考えは違います。
MFIsの市場資金の受け入れは必須です。MFIsが取り組むことが求められているものは、チャリティ/互酬や政府による再配分でやらねばならない仕事ばかりではありません(もちろん、市場資金だけですべて賄えるなどと言うつもりはありません。しかし、メインストリームから排除されているものの全てが、市場メカニズムではカバーできないものでもありません)。

とはいえそれによって、市場参加者の不可避な非合理性より、バブル崩壊やそのプロセスで、マイクロクレジット受益者側も害を蒙る途を通らねばならなくなることの蓋然性は、残念ながら低くありません。ただ、経験を通じ学び、少しでもより好ましい状態に「進化」させていくことこそが、進むべき道なのではないでしょうか。

政府の失敗や互酬の失敗を軽く見るべきではありません。「失敗」するのは、市場だけではありません。互酬の失敗は、実際に経験するか相当の想像力がないと、その致命性を感じられないかもしれませんが。

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