資金決済法案とMFICの日本での展開

まず、お断り。枋迫さんの会社が日本でも事業を開始するかどうかは、一切知りません。
とはいえ、掲題法案と結び付けて、
そのようなことがありうるかも、ということを、考えたり、
人と意見交換をしたことがあるもので。

さて。4/30の日経新聞朝刊記事等でも紹介されていたように、
掲題法案が通る見込みであるようです。
送金業務を金融機関以外の事業者に、登録制で開放する、と。
であるなら、マイクロ・レミッタンス事業が日本でもできるのではないか、
というのは、ありうる考え方だと思います。
しかし、日本の金融当局がそう簡単に、(彼らから見て)どこの馬の骨とも知れぬものに、
金融関連業務を任せるはずがない、と、わたしは思っていたわけです。
どこかの政党は「利用者保護を強めよ」とか言っているし。

で、提出されている法案を先日みつけました。こちらです。
法文PDFのp37、第40条をご覧ください。
「登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき」は「登録を拒否」する、と。
特に3項。「必要と認められる財産的基礎」とあり、具体的な要件記載がありません。
ということは、行政担当者の職権による運用がなされると考えられます。
ということは、これまでの、特に金融にかかわる行政運営を踏まえるならば、
マイクロ・レミッタンスに取り組むものが、そんなに簡単に登録が認められるとは、思えません。
それに下手をするとNPOバンクのように、一種の適用除外を得る条件として、
事業として持続可能なビジネスモデルの構築を放棄させられないとも限りません。
(だから、NPOバンクは「運動」としてであるか、再配分のツールとしてでなければ
成立しないとわたしは考えています)

で、ビジネスとして成り立ちえないのであれば、当然MFICは動けません。
成り立たせるために事前の投資が小額でなく必要であるならば、
その投資が回収される目途がなければ、
企業家として、日本への進出の判断はできないと思うのです。
さらにその事前の投資は、決して少なくないはずです。
なにしろ、マイクロクレジットですら十分な知識が行きわたっておらず、
その事業の受益者は国内の選挙権者にはほとんどおらず、
受益者への憐憫の情が行きわたるだけの社会的背景も、少なくとも現時点では十分にはなく、
さらに、それを「売り」にしようとする政党も現状ではなさそうだからです。
(このあたりの記述、数年前のなんとか特例法をイメージしながら書いてます)
よって、ロビー活動的な動きが何らかなされない限りは、
MFICの日本進出はない、というのが、わたしの予想です。

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この記事へのコメント

2010年08月21日 02:41
追記(1年以上前の記事なのでコメントにて)。
NHKの番組によると、日本進出を進めているようですね。
KDDIと提携、が本記事に書いたハードルを乗り越える手段になるかも、とは思います。
しかし、モバイルバンキングと統合ということになると、従来のMFICのビジネスからは大分離れることに。
ソフトの開発や必要な人材の手当て等、先行投資を回収できるかどうかについては、わたしはいまだ懐疑的です。KDDIはどれくらい負担をしてくれるのか。
ファンなので(本当)、予想(心配)を裏切ってくれることを祈りますが。

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